新旧の高技術を融合させた高級包丁など先進的な取り組みで堺刃物の明日をリード。
職人の技が冴える逸品の堺包丁は、何年経っても切れ味を失わない。そんな本物へのこだわりから、製造が難しいとされてきた、水焼き本焼きの手法で創り上げた高級包丁を一般化。研ぎにも新しい技法を取り入れ、伝統と最新技術が融合した製品を次々に誕生させている。オリジナルブランド「郷右馬允義弘」も、そんな高級包丁のひとつだ。
代表取締役社長
山脇良庸さん
| 株式会社山脇刃物製作所 | |
| 〒590-0937 堺市堺区宿屋町西1-2-21 |
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| TEL | 072-228-3335 |
| 創業 | 昭和 2年 2月 |
| 資本金 | 1,000万円 |
| 従業員 | 12名 |
| http://www.yamawaki-hamono.jp | |
株式会社 山脇刃物製作所 本社屋/札幌ビル
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| 本職用高級包丁「郷右馬允義弘」 |
伝統を絶やしたくない一心で水焼き本焼きの一般化を実現。
堺包丁の伝統と優秀性を後世に伝えるため、長年にわたって高級包丁の製造・販売に携わってきた同社。昭和25年に創り出した本焼きのオリジナル製品に、鎌倉時代の刀鍛冶「郷右馬允義弘(ごううまのすけよしひろ)」(商標登録)の名を冠したのも、稀代の名工の名に恥じない高品質をめざしたいという強い意志の現れだ。昭和50年頃から、水焼き本焼きのプロ用高級料理包丁を一般化することに専心。水焼き本焼きの包丁は硬くて切れ味がよく最高級品として知られていたが、焼入れ温度の難しい水焼きは割れやすく技術的に困難をともなうことから、当時は本焼きといってもゆっくり冷やす油焼きがほとんど。水焼き本焼きの技を持つ職人も少なく、後継者も皆無だった。まずは職人を説得することから始まり、何とか人材育成の第一歩にこぎつけたという。「堺包丁は分業生産がほとんどです。一人の職人が優れた技を持っていても、次の世代に伝えなければ業界の未来はありません。一社だけが発展することもあり得ない。産地である限り、ともに発展することを考えていかなければ」と語るのは、水焼き本焼きの包丁開発に力を尽くしてきた2代目の山脇社長だ。苦労の甲斐あって、水焼き本焼きの包丁をプロの料理人たちの間で流通させた山脇社長は、次に研ぎ法に鏡面研ぎなどの新技法を積極採用。当初は何度も失敗を繰り返して不良品の山を築いたが、完成するまであきらめなかった。水焼き本焼きと新たな研ぎ法によって、同社の販売力は大きく飛躍することとなる。
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刃も柄もバランスが重要。使う身になった1本のために。
山脇刃物製作所の場合、自社商標の製品は全体の1割程度で、あとはOEM製品だ。同社の特徴は、堺刃物に携わる各社・各職人の得意分野と個性を把握し、ニーズに応じてそれらをコーディネートすること。「組合せによって、包丁の味を出していく。当社では最終仕上げ部門を担当していますが、柄付けなどにしてもそれぞれの包丁に相応しいバランスがあるのです。そう、刃の切る部分に料理人の意志が伝わるように」と山脇社長。トータルで包丁を見る立場にあったからこそ、そのバランスがわかるのかも知れない。山脇社長は現在、数校の調理専門学校の非常勤講師として、学生たちに「包丁」の奥深さを伝えている。用途を知るだけでなく、形や厚みの成り立ちと理屈を知れば、料理にも深みが出るはず。「作り手からすれば数多くある中の1本ですが、料理人にとってはその1本が勝負。まさに一期一会です」。使う身になって1本1本を丁寧に創るという先代社長の教えは、「傷ものは一丁たりとも出さない」という同社の基本姿勢になっている。「古いことを伝承しながら、新しいことに挑戦するのが当社のやり方。新しい技法も、新しい材料もそのひとつです」。金属の研究からケースのデザインまで、常にパイオニアとして業界を牽引する同社。次の展開にも期待したい。


