廃タイヤを活かしたピラミッド型漁礁。新たなリサイクル事業で環境保全に貢献。
建築物の設計・監理を業務とし、首都圏から関西圏まで幅広いマーケットで活躍している同社。人の住む空間を造るのが本業だが、今、意外な構造物に真剣に取り組んでいる。それが廃タイヤや建築廃材をリサイクル利用した、魚のためのピラミッド型漁礁だ。すでに魚が海に戻ってくることも実証されており、今後の展開に期待が集まっている。
代表取締役
神田貢作さん
| 株式会社都市環境設計 | |
| 〒591-8034 堺市北区百舌鳥陵南町1-16-1(堺事務所) |
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| TEL | 072-281-2471 |
| 創業 | 昭和 47年 9月 |
| 資本金 | 5,000万円 |
| 従業員 | 55名 |
| http://www.toshikan.com | |
大阪市内の本社屋
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「人の家も魚の家も同じ」と建築設計のプロが漁礁に挑戦。
堺市で創業し、今や大阪本社を中心に東京、埼玉、三重、神戸にも事務所を持ち、全国に活躍の舞台を広げている都市環境設計。代表取締役の神田社長を筆頭に、57名もの一級建築士を抱える設計・監理のプロ集団だ。教育・文化施設から、公共施設、ビル、工場、住宅、店舗など、フィールドもありとあらゆる建築物と関連設備に及んでいる。
建築物を設計する上で、環境との調和や共生は重要な課題。環境事業や省エネ、街づくりのコンサルティング業務も行っていることから、早くから環境への高い意識を持っていた。神田社長は、堺市の活性化を目標にした街づくりに関するさまざまな進言を行い、形にしてきた実績も持っている。仁徳天皇陵の水路浄化、阪堺電車沿いの道路や大和川の植栽なども積極的に推進してきた。市民と行政が手を取り合って、堺市を全国に誇れる住んで良かった街・楽しい街にしようと故河盛安之介市長の提唱された「堺こぶしの会」の代表幹事も務める神田社長。「仕事とは関係ないのですが、魅力ある街にしたいと思って続けています。皆さんに楽しいものを提供するのが私たちの商売ですから」と明るく語る。アイデアマンであり、実行力もある神田社長が「自然を大切にするこれからの社会のために」とモッタイナイ精神で考え出したのが、ピラミッド型漁礁だ。畑違いにも思えるが「人の住む家も魚の棲む家も同じ。地球環境に配慮する点でも同じ」との発想で、開発に取り組んだという。
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廃タイヤが「造る漁業」に役立つエコ製品に変身。
漁礁を考えるきっかけになったのは、中古車の部品を販売する会社の社長との出会いだった。部品のほとんどは再利用できるが、唯一タイヤだけは使えない。古タイヤが山などに不法投棄されると、自然発火の末に山火事になることもある。そんな話が、神田社長の情熱に火をつけた。最近ではチップにして燃料化する企業も多いが、「これでは地球温暖化を進めるようなもの。時代に逆行している」と疑問を呈する。自然を犠牲にすることなく、古タイヤをそのまま利用できないものかと考えたのが漁礁だ。形は、腐敗を防ぐパワーがあると言われるピラミッド型とし、黄金比率の1:1.618で数値を割り出した。この考え方はまさに正解だった。ピラミッド型の漁礁は沈下しにくく、10年程度の長期にわたって使用できることがわかったのだ。
ピラミッドのベースには、石材などの建築廃材を利用。大小のタイヤを固定するボルトやネットにも防錆を施している。見た目にも美しく、海を汚すこともない。1万5000本~のタイヤを使う魚礁の大きさは、高さ約14mにも達する。平成11年には特許申請も行った。すでに関西エリアを中心とした漁連で活用され、稚魚が集まってきていることが確認されている。巨大クラゲが寄りつかなくなったと喜んでいる漁連もある。獲る漁業から造る漁業へと転換が迫られている今、需要はますます拡大していくだろう。


