自社ブランドをはじめとする商品開発と強力な販売網で堺利器工匠具を全国へ普及。

堺打刃物を全国に広めるべく、製造~販売の強力なネットワークを活かした商品開発・販売戦略を展開。堺・新潟・三木・岡山の4拠点体制で、利器工匠具の普及と新たなニーズ発掘に取り組んでいる。特筆すべきは、基幹ブランド“OWL(オウル)”を中心とした多彩な自社ブランド。高級和包丁から農工具、ガーデニング、DIY用品に至るまで、品揃えも幅広い。

堺技衆・堺技衆・認証番号0040 株式会社福井 代表取締役社長 福井隆一郎

代表取締役社長
福井隆一郎さん

株式会社福井
〒590-0934
堺市堺区九間町東1-1-10
TEL 072-227-0001
創業 明治 45年 1月
資本金 1,000万円
従業員 32名
http://www.sakai-fukui.co.jp
株式会社 福井 本社屋

株式会社 福井 本社屋

オリジナル商品の店頭ディスプレイ
オリジナル商品の店頭ディスプレイ

堺打刃物を広めるために自社ブランド「OWL」を発信。

福井は、包丁と金物利器など堺打刃物の販売会社として明治45年に創業。昭和初期に中国・台湾へ進出し、さらに戦後は全国各地へと販売網を張り巡らせていった。三木(兵庫県)、新潟、高知といった日本を代表する各刃物産地のブランドも取り扱っていた同社は、堺ブランドが少ないことを残念に思っていたという。もともとフクロウをシンボルマークに自社ブランドを展開していた同社だが、「もっと強力に堺ブランドを打ち出したい」と、約25年前にプライベートブランド「OWL(オウル)」を誕生させた。現在では「OWL(オウル)」を基幹ブランドとし、ガーデニング用品を中心に、農工具の自社ブランドを積極的に展開。他社の取扱商品と合わせると、登録商品数は約1万9000アイテムにものぼる。

ギフトなどの直販や欧米進出に新たな可能性を。

取扱商品が多いだけでは、福井の存在価値は薄い。そこで、全国に販売網を持つ強みを活かして、地域性を考慮した商品を企画・提案。鍬や鎌を例に挙げても、北と南の地域ではまったく仕様が異なる。各地域の鍛冶屋が手作りしてきたその土地独特の農工具は、大量生産に向かないため、なかなか大手では取り扱えない。それだけに、福井のノウハウが活かされるビジネスチャンスはまだまだ残されていると言えるだろう。加えて、ホームセンターなどの量販店の売り場展開も提案。効果的なディスプレイとともに提供している。現在力を入れているのは、刃物のギフト。従来日本では刃物を贈答品とする習慣はなかったが、実は「未来を切り拓く」縁起のよい贈り物として、各国の王室などでも使われてきた。披露宴のケーキカットに使うナイフ、開通式のテープカットに使うハサミなど、お祝いの場面には刃物が登場する。また新たなターゲットとして狙っているのが、団塊の世代。定年退職を機に、料理を趣味にする男性が増えている。男性は本物にこだわるため、高価な手作りの包丁にも興味を示すはずだ。これまで問屋や大手ホームセンターなどが主要取引先だった同社だが、団塊の世代へ直接アピールするため、初めてエンドユーザー向けのDMを作成。堺の企業や料理教室に向けて発送した。「直販は初めてですので、すぐに効果が出るかどうかわかりません。気長にPRしていきたいと思います」と福井社長。アメリカやヨーロッパへの進出も今後の課題だ。「国内外を問わず競争は激化していますが、いいものを永続的に提供していきたい。そのためにも商品開発が重要」。福井社長を突き動かしているのは、「堺ブランドを世界に広めたい」という強い思いだ。

▲このページのトップへ