景炉と熱を自在に操る独自のノウハウで、産業界を陰で支える熱処理のエキスパート。
炭問屋として創業し、現在は金属熱処理加工のスペシャリストとして活躍する株式会社ダイネツ。10代目に当たる葛村社長は30歳の時に、鋼材の仕入れ、加工、販売を行う商社であるダイネツ商事を設立。後に本体の株式会社ダイネツの社長に就任した。さらに三洋金属熱錬株式会社も加わり、総合熱処理加工のダイネツグループを確立している。
代表取締役社長
葛村和正さん
| 株式会社ダイネツ | |
| 〒590-0930 堺市堺区柳之町西3丁3番1号 |
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| TEL | 072-229-0223 |
| 創業 | 文化 10年 2月 |
| 資本金 | 5,000万円 |
| 従業員 | 71名 |
| http://www.dainetsu.co.jp | |
株式会社ダイネツ 社屋
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| 焼入加工品 |
大手の認定工場であることが業界をリードする技術の証に。
丸棒などの鋼材を加工するには、まず材料を柔らかくしなければならない。金属の特性や最終完成品に応じ、焼入焼戻しや焼なましといった特殊な専門技術が必要となる。熱による金属内部の組織変化を利用した技術が、株式会社ダイネツが専門とする熱処理だ。「熱処理は、どの分野のメーカーにとってもネックになっているんです。大企業でも、熱処理は外注しているケースがほとんどですね」と、葛村社長は語る。実際に同社は、さまざまな大手メーカーの認定工場になっており、検査器具の精度にまでチェックが入る厳しい審査を毎年パス。自動車、建設、土木をはじめ、各業界から高い評価を得ている。工場には、大量の熱処理をこなすローラーハース式連続焼入炉をはじめ、多品種少量に応えるバッチ炉など、最新鋭の設備機器が並ぶ。大物から小物まで、鉄からステンレスまで、あらゆる熱処理に対応できるのも強みだ。環境保全のための対策にも早くから着手。燃料は重油や灯油が一般的だった時代に、大阪ガス管内で初めて天然ガスを導入したのも同社だった。
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築炉の研究や排熱の活用でより効率的な熱処理を追求。
金属の熱による組織変化については、まだまだ不明な点が多い。現在も大学の研究室や大阪府立産業技術総合研究所などにおいて、研究が進められている。同社はそれらの研究結果を活用し、実用化のためのノウハウを開発。より効率的な熱処理をめざし、大阪ガスと技術提携して築炉も研究している。「熱処理にごまかしは一切ききません。炉の積み方ひとつでも、金属内部の組織が変わるんです。そのノウハウを持っているところに、我々の存在価値があると自負しています」と葛村社長。奥の深い技能だけに、人材育成にも力が入る。全社員の金属熱処理技能士資格をめざし、新入社員も入社と同時に養成講座を受講。資格手当や昇給の機会を設けて、モチベーションを高めている。同社では、材料調達も含め、全て技術力の高い国内でまかなっているが、これは安定した品質確保のため。高知県からの誘致を受け、府外でも自社工場を稼動させている。工程管理、品質検査、検査器具の検査など、徹底した品質管理も、取引先に大手メーカーが名を連ねている大きな理由だ。2008年には、高品質、短納期、コスト低減、作業環境の改善などが評価され、「大阪府ものづくり優良企業賞2008 QCD部門賞」を受賞。グループ会社の三洋金属熱錬工業株式会社も「優良企業賞」に輝いている。また同年、1級金属熱処理技能士の岡本豊三生産部部長が、大阪府の「なにわの名工」を受賞。企業努力と個人研鑽への高い評価をバネに、「資材調達から熱処理、機械加工までの一貫生産」にさらなる意欲を燃やしている。


