細かなクレームも吸い上げて顧客満足を追求し、地元密着の家づくり・夢づくりに邁進。

もともとは建売住宅の下請けをしていた同社。先代の社長から友藤社長が経営を引き継いだ後、約10数年前から自社で土地を購入して建売住宅の分譲を開始した。「建てるだけでは意味がない。物語をつくらないとお客様に申し訳ないし、社員自身も楽しくない」と、高品質のものづくりを追求。現在では受注高の約20%を、自社の分譲物件が占めるようになった。

堺技衆・堺技衆・認証番号0027 株式会社吉村一建設 代表取締役社長 友藤昭弘

代表取締役社長
友藤昭弘さん

株式会社吉村一建設
〒599-8241
堺市中区福田578番地6
TEL 072-235-0488
創業 昭和 53年 4月
資本金 3,000万円
従業員 37名
http://www.yoshimuraichi.com
株式会社吉村一建設 社屋

株式会社吉村一建設 社屋

妻からの一言をきっかけに、顧客の声を重視する企業へ。

建売事業を始めた当初、たまたま売れ残った住宅を友藤社長自身が購入することになった。ちょうど先代社長から大きな負債をも引き継ぎ、会社存続の危機に直面していた時期。「いかに安く家を建てられるか」という利益追求が、友藤社長の命題だった。まもなく床がきしむことに気づいたが、その時「家内から、何でこんな家創ったの?と言われたんです。実際に住んで初めて、うちの建築レベルに気づかされましたね」と友藤社長。顧客を無視したやり方を深く反省し、「いかに高品質の家が建てられるか」に大きく方向転換を図っていった。品質にこだわったおかげで着実に受注高は伸びたが、建築戸数が増える分、クレームの数も増えた。顧客に満足してもらうにはクレームを減らすことが重要だと、クレーム処理とメンテナンスの細かな報告書を作成することに。責任の所在と進捗状況を明確にするとともに、修理が終わると問題点をカテゴリー分類し、それを社員全員に開示した。さらに建築士や工務店も交えてロールプレーイングを実施し、体験を語り合いながら、今後の対応について協議。「失敗は失敗として認め、それを今度はチャンスに変えて行こう」と、前向きに転換することを社員のみならず、大工などの職人、下請け業者にまで浸透させていった。

ISO取得で社員の意識改革。地元住民にも活動を紹介。

もちろん顧客からのクレームは、新たな家づくりの参考になる。地道に問題点の解決・改善に取り組んだ結果、年々クレーム件数も減ってきた。「経費はかかりますよ。でも継続することが、5年後、10年後のため。今は、裏付け資料作成の時期だと考えています」と友藤社長。強く号令を掛けるタイプではないと自己分析する社長は、品質と環境保全に対する意識を高めようと、ISO取得にチャレンジ。条文を全員で学ぶことにより、社員にも同じ意識を持ってもらおうと考えた。平成14年にISO9001(国際品質規格)、平成18年にISO14001(環境マネジメントシステム規格)を取得。環境に配慮した自然派住宅の開発や、清掃やゴミ分別などの徹底は、品質向上にもつながっている。大工などに対しても、顧客への挨拶や笑顔などを要求。完成度の高さはもちろん、顧客への対応、清掃や片付けなどを総合評価して職人をランク付けし、高評価に対しては年2回表彰している。堺市を中心に南大阪地域にこだわる同社は、もっと地域に存在を知ってもらおうと、平成18年夏を皮切りに同社の倉庫で1日だけの「ヨッシーフェア」を開催。当日は300名もの地元住民が集まり、格安の網戸修理などに行列を作った。以降毎年夏に、平成20年は秋にも開催し、大勢の方の参加があった。今後も継続していく方向だ。「家づくりは夢づくり。そのためにもお客様の声を反映し、うれしいこと、楽しいことを提供していきたいんです」と目を輝かせる友藤社長。仕事は楽しくなければと、ものづくりの楽しさを社員と共有したいと考えている。

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