今まで誰も成し得なかった染色技法を実現。環境に配慮した染色技法で業界を牽引。
創業400余年の歴史をもつ老舗。のれんやハッピ、旗・幕などの印染加工・販売を行っている。古くは藍染を行い戦後は主に帆前掛やハッピを中心に硫化染料での浸染や直接染料・ナフトール染料などを使用した印染製品を主に生産していたが、現会長が昭和39年に反応性染料と出会ったのをきっかけに小さな工場でも可能な技法を確立。
代表取締役社長
三原 聡さん
| 三原染工株式会社 | |
| 〒590-0969 堺市堺区新在家町西1丁1番27号 |
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| TEL | 072-232-6463 |
| 創業 | 天正 17年 |
| 資本金 | 2,500万円 |
| 従業員 | 24名 |
| http://www.mdmihara.co.jp | |
三原染工株式会社 社屋
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| 祭りのハッピ |
生地の裏まできれいに染まる片面裏浸透技術を独自に開発。
三原社長は札幌で開催される「よさこいソーラン」のスタート時点でお手伝いした一人。それ以来同社ではその踊り子が着用する衣装やハッピなどの半数を手がけてきた。こうした祭りのハッピや旗、幕、のれんなどには、さまざまな文字や図柄が染色されているが、これを印染という。日本に古くからあった印染の伝統を受け継ぎつつ、時代とともに新しい技術開発に挑戦してきた。その一つが「片面裏浸透」という染色技法だ。従来反応捺染色技法では、表面だけがきれいに染まっていれば、裏面は特別染まっていないのが当たり前だった。しかし、裏まできれいに染める方法はないかと考えたのが三原社長。染める布地の下に捨て布を敷き、同じ繊維が持つ馴染み合い現象を利用して染料を裏面まで浸透させることによって、裏面まできれいに染め上がる技法を編み出した。だが、簡単に実現したわけではない。染料を水のようにすれば浸透しやすくはなるが、図柄がにじんでしまう。また、布地の糸そのものに不純物があると浸透性が悪くなる。染料の濃度や粘度、素材との相性や素材自体の精錬方法まで工夫を重ね、ようやく納得できる製品を市場に出すことができたという。
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| 「片面裏浸透」で染めた製品例 |
食品材料を助剤に使うことで、環境問題をクリア。
さらに特筆すべき点は、同社が取り組んできた環境問題である。染料廃液で環境を汚染しないようにするため、できるはずがないと言われることをやってきた。染料の助剤にはすべて食品材料を使用している。たとえば、糊に用いるのは海藻だ。これはアルギン酸ソーダで、薬品のソフトカプセルや歯磨きの増粘剤として用いられるものと同じもの。他に素材によりでん粉質の糊材も使用する。また発色させるために使うのは料理などに使用する『重曹』であり、保湿剤として良くハンドクリームなどに使用されている『尿素』も使用している。どれも人体に安全なものを使う。極端に言えば、頭からかぶっても安全だという。安心して使用できる上、精製率が高いので粒子が細かく、糸1本1本の中までしっかり浸透・吸着させられる。染料として優れた特色を持つ反面、コストアップになり、ていねいな作業をするので生産性も落ちる。しかし、「水を汚さず、環境を守ることは私たちの務め。あえて厳しいやり方を選んで挑戦してきました」と三原社長。苦労して得た独自の技術だが、ノウハウを独占することなく、全国への普及に努めている。加えて、「堺技衆」の知名度を上げ、価値を高めていこうと、堺ブランドの発展に賭ける社長の意欲はゆるぎない。「伝統のよさと新しい技術を融合し、やればできるという姿勢を示したい」と語ってくれた。


