『都市活力の強化と雇用の推進』
去る、11月1日の第1回臨時議員総会におきまして、議員の皆様方からのご推挙をいただき、
130有余年の歴史と伝統を誇る堺商工会議所の会頭に就任にさせていただきましたことは、
誠に光栄なことでありますとともに、その責務の重大さに身の引き締まる思いであります。
つきましては、この機会に、今私が考えておりますことをご披露申し上げ、
所信表明に代えさせていただきます。
篠塚前会頭は、『産業の安定的発展と会議所活動の活性化』に向け尽力されてこられましたが、
商工会議所活動の根本でもありますこの方針を受け継ぎますとともに、これに加えて新たに
『都市活力の強化と雇用の推進』を基本方針として、堺市産業界の更なる発展に向け、全力を傾注して
参いる所存でございますので、何卒ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
さて、わが国経済は急激な円高や消費の低迷が影を落とし、不透明感が深まっております。
向こう3ヶ月の業況判断では改善の予想がなされてはいるものの、海外景気の下振れ懸念や円高の影響が
今後も続く可能性があることから、引き続き景気動向を注視する必要があると考えています。
臨海部への先端産業への企業誘致等により、元気な都市と言われてきた堺市も例外ではなく、
当所が四半期毎に実施している「地域産業経営動向調査」(DT調査)によりますと、今期(7〜9月期)
の業況判断は前年同月比で「横ばい」であり、依然厳しい状況が続いていると考えられます。
このような中、地域経済の推進役として、堺商工会議所の機能強化を図っていくため新たに
『都市活力の強化と雇用の推進』を基本方針として、以下の項目を推進してまいります。
まず、第1は『企画・政策提言力の強化』であります。
商工会議所の最も重要な使命に、地域商工業者の意見を結集し、関係官公庁等への陳情・要望がありますが、
これまで以上に社会・地域・経済情勢を的確に判断できるよう各種調査事業を充実してまいります。
また、外部有識者を積極的に登用し、商工会議所の企画力・政策提言力を強化し、加えてこれが実現に向け、
各省庁や大阪府並びに堺市行政と積極的に情報交換を行い、有効性のある会議所事業に反映してまいります。
第2は、『都市活力の強化』であります。
近年、堺のまちの賑わいが低下していると感じております。地域経済全体を底上げしていくためには、
これまでの第2次産業への支援を継続しつつ、今後第3次産業を中心とする新たなビジネス振興により、
地域経済全体の活性化を図っていく必要があります。また、このことが都市活力の強化にもつながると考えています。
そのためにも、新たに常設委員会として『広報・観光委員会』を設置し、堺の魅力を積極的に広くアピールし、
併せて都心地域の魅力向上を通じた活性化支援に取り組んでいきたいと思っております。具体的には、
伝統産業の優れた技術の伝承支援や情報発信、企業同士の交流促進、加えて地域の魅力あるお店の発掘・
育成を行うことにより、都市交通の活性化をはじめとする都市の魅力向上につなげてまいりたいと考えております。
第3は、『人材確保・育成』であります。
企業業績の悪化等から就職が思うように進まない学生や、社会問題ともなっている内定取消し、
折角就職しても定着しない若年労働者があとを絶たない社会現象があります。その一方で地元中小企業では
有能な労働力確保に苦慮している現実があり、このような厳しい経済環境を一刻も早く脱出するためにも、
雇用を拡大し消費を喚起しなければなりません。
そこで、企業側と求職者のニーズのマッチングや技術者の養成などが必要となります。従来型の
就職説明会ではなく、企業と学校双方の就職担当者の交流・情報交換を促進し、学生だけでなく実際に企業現場の
視察会を開催するなど、実効性のある求人ネットワークを構築いたします。
安定した雇用が確保されてこそ、消費喚起にもつながり、地域経済が循環するものであります。
とりわけ若年層の雇用の安定化は、産業界にとっても将来に向けた投資的役割を担っていると考えます。
最後に、『活力ある中小企業の創出支援の強化』であります。
堺浜はじめ臨海部では企業が集積してきておりますが、地元堺にとって、より多くの経済波及効果を
追求しなければ堺の産業界の本当の発展はありえません。そこで内陸部の地元中小企業が臨海部企業といかに
連携をとり融合するか“点を線でつなげる”かが重要な鍵となります。そこで地元中小企業の育成のため、
『堺ものづくり取引拡大商談会』『自社商品売込み商談会』の開催など引き続き販路開拓支援・マッチング機会の
充実に努めてまいりますとともに、平成17年度創設の企業認証ブランド『堺技衆』の認証企業の価値向上を図り、
堺の卓越した技術・製品の世界への情報発信の強化を行ってまいります。
さらに、商工会議所の根幹業務であります「中小企業・小規模事業者に対する支援の一層の強化」であります。
経営指導員の充実や専門相談員の適正配置を図り、商工業者のより身近な存在となれるよう経営支援体制を充実し、
少子高齢化社会の進展に伴う後継や熟練労働力の不足に対処した事業承継支援や創業者支援にかかるセミナーの
開催や行政施策の活用等についての方策を講じてまいります。
以上4点を活動方針の柱として、事業計画を立ててまいりたいと考えておりますが、堺の明るい明日を
実現するため、役員・議員はじめ会員の皆様並びに関係各位の積極的なご参画、ご協力をお願いいたしまして、
会頭就任に当たってのご挨拶とさせていただきます。
平成22年11月16日
堺商工会議所
会頭 前田 ェ司 |